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【連載第3回】事業転換の罠と成功の秘訣|ノキアはなぜ敗れたのか?

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はじめに

これまで2回にわたり、サンリオや富士フイルムなど、企業の「華麗なる転身」の成功物語を追ってきました。しかし、事業転換は常に成功するとは限りません。むしろ、大きなリスクを伴う諸刃の剣でもあります。

連載最終回となる今回は、その光と影の「影」の部分に焦点を当てます。なぜ携帯電話の王者ノキアは敗れたのか? 東芝やAOKIの事例が示す、多角化やM&Aの落とし穴とは?

失敗事例から教訓を学び、これまでの成功事例と合わせて、これからの時代に企業が生き抜くための「変革の成功法則」を導き出します。

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第一回記事:https://hr.my-sol.net/media/useful/a195

第二回記事:https://hr.my-sol.net/media/useful/a196

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第3章 華麗な転身だけじゃない。知っておきたい「変革の罠」

ノキア:なぜ携帯電話の王者は敗れたのか?

1990年代から2000年代にかけて、ノキアは携帯電話市場で圧倒的なシェアを誇る巨人でした。しかし、iPhoneの登場によるスマートフォンへの急激なシフトに対応できず、王座から転落します。

その原因は、過去の成功体験にありました。ハードウェアの性能で勝負してきたノキアは、ソフトウェアやアプリの「エコシステム」が重要となる新しい時代に適応できませんでした。時代遅れのOSに固執し、タッチパネルへの対応も遅れました。かつての成功モデルが、変化を拒む「足かせ」となってしまったのです。これは、成功企業が陥りがちな「イノベーターのジレンマ」の典型例と言えるでしょう。

東芝とAOKI:失敗から学ぶ、多角化と買収の落とし穴

    • 東芝の悲劇: 2006年、東芝は原子力事業を強化するため、アメリカのメーカー「ウェスチングハウス」を巨額で買収しました。しかし、この買収は、相手が抱える莫大な負債を見抜けなかったことが原因で大失敗に終わります。結果的にウェスチングハウスは経営破綻し、東芝本体の経営を揺るがす事態となりました。M&Aによる事業転換は、徹底した事前調査と冷静な判断がなければ、企業を破滅に導くリスクがあることを示しています。

  • AOKIの誤算: 紳士服市場の縮小を受け、スーツのAOKIはカラオケや複合カフェなどへ多角化を進めました。しかし、コロナ禍でその戦略の脆さが露呈します。スーツもカラオケもカフェも、すべて「人が集まる」ことで成り立つ事業だったため、パンデミックという一つの要因で全部門が同時に大打撃を受けてしまったのです。リスクを分散させるはずの多角化が、逆にリスクを集中させてしまった皮肉な結果となりました。

まとめ:成功する「大変身」の秘訣とは?

これまで見てきた成功と失敗の物語から、企業の「華麗なる転身」を成功させるためのヒントが見えてきます。

成功企業から学ぶ4つのルール

  1. 製品ではなく「使命」で考える: サンリオの「コミュニケーション」や任天堂の「娯楽」のように、具体的な製品ではなく、より抽象的で大きなミッションを掲げることが、時代に合わせた柔軟な変化を可能にします。
  2. 自社の「お宝技術」を知る: 富士フイルムのように、自社の本当の強みは何かを深く理解し、それを別の分野で活かせないか常に考える視点が重要です。
  3. 失敗を許容する文化を作る: 3Mのように、挑戦と失敗を奨励する文化こそが、継続的なイノベーションを生み出す土壌となります。
  4. チャンスを見逃さない: ティファニーのように、外部環境の変化を敏感に察知し、好機と見れば大胆に行動する決断力が、時に会社の運命を大きく変えます。

変化の激しい現代において、企業が生き残り、成長し続けるためには、時に過去の成功を捨ててでも、自らを根本から変革する勇気と知恵が求められます。

究極の競争力とは、特定の製品やサービスではなく、「常に新しい何かへと生まれ変わる能力」そのものなのかもしれません。


第一回記事:https://hr.my-sol.net/media/useful/a195

第二回記事:https://hr.my-sol.net/media/useful/a196

第三回記事:https://hr.my-sol.net/media/useful/a197



編集者: マイソリューションズ編集部 https://hr.my-sol.net/contact/

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