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効果的でユニークな企業研修事例7選とその成功要因

はじめに
現代の企業研修において、従来の座学形式だけでは社員のモチベーション維持や学習効果の最大化が難しくなっています。特に、テレワークやオンライン業務が常態化した現在、人と人との繋がりや体験型学習の価値が再認識されています。
企業研修の真の目的は「楽しさ」ではなく「効果的な人材育成」にあります。しかし、受講生の意欲を高め、感情と知識を結びつけて記憶に定着させるためには、「ユニークで面白い」要素が重要な役割を果たします。
本記事では、実際に効果を上げているユニークな企業研修事例を7つ紹介し、それぞれの成功要因と効果について詳しく解説します。

企業研修の効果を最大化するための3つのポイント
1. 研修目的の明確化
効果的な企業研修を実施するには、まず「なぜ研修を行うのか」という目的を明確に設定することが重要です。
主な研修目的:
- 社員への理念浸透やビジョンへの共感促進
- 理想的な企業文化(カルチャー)の構築
- 社員の生産性向上(売上アップ、納期短縮、経費削減)
- 退職(離職)の防止・減少
- 新入社員のマインドセット形成
2. 対象者のニーズ把握
研修の対象者は新入社員から経営幹部まで多岐にわたります。各層のニーズを正確に把握し、それに応じた研修設計を行うことが成功の鍵となります。
3. 時代背景の理解
2020年のパンデミック以降、働き方改革が急速に進み、在宅ワークやオンライン業務が常態化しました。この変化により、従来のコミュニケーション能力に加え、セルフマネジメント能力やオンラインでの協働スキルが重要視されています。
効果的でユニークな企業研修7選
その1:幼稚園研修
実施企業:株式会社栃木ダイハツ販売
新入社員が幼稚園で数日間、子供たちと共に遊び、食事やお遊戯のサポートを行う研修です。
効果と目的:
- コミュニケーション能力の向上
- ファミリー層への対応力強化
- 顧客満足度向上につながる実践的スキルの習得
- 社員の発案力向上(ショールーム改装などの具体的成果)
その2:ウォーキング研修
実施企業:国際自動車株式会社
都内の観光スポットを35キロ、約12時間かけて徒歩で巡る研修プログラムです。
効果と目的:
- 同期社員間の連帯感強化
- タクシードライバーとしての地理的知識習得
- 車目線では気づかない発見による実践的情報収集
- 低コストでの研修実現
その3:しょうゆ作り研修
実施企業:大和美術印刷株式会社
オリジナルフレーバーのしょうゆ製造から、パッケージデザインまでを手がける本格的な研修です。
効果と目的:
- チームでの話し合いによるコミュニケーション能力向上
- 企画力・創造力の育成
- 成功体験による達成感の獲得
- 完成品を販促用品として活用する2次効果
その4:ディズニーアカデミー研修
実施企業:東京ディズニーランド
ディズニーのキャスト教育ノウハウから顧客対応とホスピタリティーを学ぶ研修プログラムです。
効果と目的:
- 世界トップクラスの顧客対応力習得
- 管理職向けキャスト教育ノウハウの学習
- 社員のモチベーションアップ
- 能動的な行動が喜びにつながるマインドセット形成
その5:森林整備研修
実施企業:サントリーグループ
グループ社員約6,000人が3年間で参加する大規模な森林整備研修です。
効果と目的:
- 「人と自然と響きあう」企業理念の共有と実践
- グループ全体の連帯感・チームワーク育成
- 企業イメージ向上による社外への理念発信
- 環境保護への具体的貢献
その6:マラソンチャレンジ研修
元日本代表のプロマラソンランナーがファシリテートする達成体験型研修です。
効果と目的:
- 達成経験共有による社員の連帯感向上
- 社内活性化の促進
- 内定者の場合は入社前フォローと同期の絆強化
- 運動習慣浸透による健康経営への副次効果
その7:CS1位の劇団四季から学ぶ顧客感動研修
劇団四季の元出演者による顧客感動とプロ意識についての研修と、実際の舞台観劇を組み合わせたプログラムです。
効果と目的:
- CSナンバーワンの秘訣とプロ意識の習得
- 感動体験による記憶定着
- 他業種のサービス手法学習
- 感情を揺さぶる体験による行動変容促進
ユニークな企業研修成功のポイント
研修は投資であり、経費ではない
企業研修は「コスト」ではなく「将来に向けた投資」として捉えることが重要です。長期的な経営基盤強化と人材育成への投資という視点で研修を企画・実施することで、真の効果を期待できます。
コンサルタント・講師との綿密なすり合わせ
研修の成功には、実施する講師やコンサルタントとの目的と結果のすり合わせが欠かせません。自社の企業理念や具体的な課題を正確に理解してもらい、カスタマイズされた研修設計を行うことが効果最大化の鍵となります。
研修効果測定と継続改善
満足度≠研修効果
多くの企業が勘違いしているのは「満足度の高い研修=良い研修」という考え方です。研修の真の効果は満足度ではなく、受講後の行動変容や業績向上で測定すべきです。
受講生の意欲向上が成功の鍵
研修の効果は「受講生の意欲」によって大きく左右されます。そのため、感情を揺さぶり、能動的な参加を促す「面白さ」や「楽しさ」が重要な要素となるのです。
よくある質問(Q&A)
Q1: 研修費用の相場は?
A: 社員一人当たり3万円~5万円が平均的な相場です。条件を満たせば厚生労働省のキャリア形成助成金の対象となる場合もあります。
Q2: 研修日数はどれくらいが適切?
A: 目的により2時間程度の短時間から3ヶ月近いプログラムまで様々です。社業とのバランスを考慮した設計が重要です。
Q3: 研修の質を上げるポイントは?
A: 企業の経営理念・ビジョンとの一致、個々の社員の長所を見極める視点、「目的に沿った面白い研修」の企画が重要です。
まとめ
効果的でユニークな企業研修は、単なる「面白さ」を追求するのではなく、明確な目的に基づいた設計と、受講生の感情を揺さぶる体験型コンテンツが組み合わされることで真の効果を発揮します。
VUCA時代を迎えた現在、予測困難な未来に対応できる人材育成が企業の生命線となっています。今回紹介した7つの事例は、それぞれ異なるアプローチながら、共通して以下の要素を持っています:
- 体験を通じた学習による記憶定着
- チームワーク・連帯感の向上
- 実践的スキルの習得
- 感情と知識の結びつきによる行動変容促進
企業研修を「次世代につなぐ投資」として位置づけ、自社の課題と目標に最適化されたユニークな研修プログラムを設計することで、マンパワーという経営資産の向上と企業価値の発展を実現できるでしょう。

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ユニークで効果が出る面白い企業研修の成功事例とまとめ7選 - 佐藤政樹オフィシャルサイト編集者: マイソリューションズ編集部 https://hr.my-sol.net/contact/