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第3回:あなたのリーダーはどのタイプ?-ヒーロー像で読み解く日本のマネジメント

アンパンマンから学ぶヒーロー論
第3回:あなたのリーダーはどのタイプ?-ヒーロー像で読み解く日本のマネジメント
公開日: 2025年9月23日
はじめに:ヒーローは理想の上司像か?
これまでの回で、日本のヒーローが持つ「自己犠牲」「孤独な闘争」「チームワーク」といった多様な価値観を見てきました。これらのヒーロー像は、実は私たちの社会、特に「日本の組織におけるマネジメント」の姿を色濃く反映しています。今回は、これらのヒーロー像を3つのリーダーシップタイプに分類し、あなたの職場にいるかもしれない「上司」の姿と重ね合わせながら考察してみましょう。
ヒーロー別リーダーシップ能力比較
各ヒーローが持つ特性を「奉仕性」「チームワーク」「専門性」「安定志向」「革新性」の5つの指標で分析しました。

① アンパンマン型 (奉仕型リーダーシップ)
チームの成功や部下の成長を自らの成功よりも優先する「サーバント・リーダー」。部下の失敗の責任は自分がとり、手柄は部下に与えるため、メンバーからの信頼は絶大です。しかし、その自己犠牲的な姿勢は自身の心身を消耗させる危険も。このリーダーが輝き続けるには、彼を支え、ケアする「ジャムおじさん」のような存在(組織的なサポート)が不可欠です。
② スーパー戦隊型 (調和型リーダーシップ)
個人の突出した能力よりも、チーム全体の「和」と「協力」を最重要視するリーダー。ボトムアップで意見を吸い上げ、合意形成を丁寧に行うため、安定した組織運営が可能です。一方で、意思決定に時間がかかり、変化の激しい時代において大胆な革新が生まれにくいという側面も。多くの日本企業に見られるタイプかもしれません。
③ 仮面ライダー型 (専門家型リーダーシップ)
圧倒的な個人の能力や専門知識でチームを牽引する「プレイングマネージャー」の極致。多くを語らず、自らの背中(成果)で部下に見せるタイプです。専門性が高く、個々のスキルが求められる現場では絶大な力を発揮しますが、業務が属人化しやすく、部下の育成や権限移譲が課題になることも少なくありません。
まとめ:あなたの組織に求められるリーダーは?
どのタイプが絶対的に優れているというわけではありません。組織のフェーズや事業内容によって、求められるリーダーシップの形は異なります。しかし、これからの時代、従業員の自律性を引き出し、イノベーションを生み出すためには、どのタイプにも「アンパンマン的な要素」、つまり部下に奉仕し、その成長を支援する視点が不可欠ではないでしょうか。
最終回となる次回は、この「アンパンマン型リーダーシップ」を組織でいかに育て、実践していくか、具体的な方法論に迫ります。