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Pol.is

台湾における意見集約プラットフォーム「Pol.is」の要約
Pol.isは、AIを活用したリアルタイムの意見収集・可視化ツールです。多くの人々が持つ多様な意見を集約し、意見がどのように分かれているか、また、どこに共通の意見(コンセンサス)があるかを視覚的に明らかにすることができます。
台湾では、デジタル担当大臣を務めたオードリー・タン氏が推進する「デジタル民主主義」の文脈で活用されたことで知られています。特に有名な事例として、2015年にUberの国内展開を巡ってタクシー業界と意見が激しく対立した際の問題解決に利用されました。
Pol.isの仕組みと特徴
- 意見の表明: 参加者は、提示された論点に対して「賛成」「反対」「パス」で意思表示をします。また、自ら新しい論点をテキストで投稿することも可能です。
- 意見の可視化: 回答が集まると、AIが意見の近い参加者をグループ分けし、意見分布をリアルタイムで可視化します。これにより、どのような意見を持つグループが存在するかが一目でわかります。
- コンセンサスの発見: 対立点だけでなく、異なる意見グループ間でも合意できる「ブリッジングコメント(橋渡しとなる意見)」を特定することに重点を置いています。
- 建設的な議論の促進: 炎上を招くような極端な意見は拡散されにくい仕組みになっており、参加者が互いの意見を尊重し、建設的な議論を行うことを促します。
このように、Pol.isは台湾において、社会的な対立を乗り越え、市民参加による政策決定を促進するための有効なツールとして活用されています。